ふたばコラム

2020.09.03

口から、除菌

口腔内細菌は浮遊しているもの以外歯や歯肉、歯肉溝の表面に付着し、積み重なり、バイオフィルムという立体的な膜を張り、その中でコミュニティをつくり情報交換をしながら存在します。このバイオフィルムという膜が非常にやっかいで、抗菌剤や抗体を通しにくく、なのでバイオフィルムを剥がさないまま薬を塗っても細菌には届きませんし、効果がありません。まずはこのやっかいなものを機械的に取り除かなければなりません。ようするに毎日の歯磨きや歯科医院で専門的に取り除いた後、抗菌薬の投薬などを行なわないとバイオフィルム内に生息する細菌に対してはアプローチできないということです。

機械的に取り除かないで、うがい薬だけではどうともならないということです。が、しかしそれがまったくの無意味なものでもありません。

以前読んだ論文データでは ネオステリングリーン(歯科医院で処方できます)、イソジン、コンクール、アズノールうがい薬という洗口剤で虫歯の病原菌と歯周病原菌を使用して浮遊している遊離細菌とバイオフィルムの細菌増殖抑制効果をそれぞれ検証していました。

結果をいうと浮遊菌に対しての効果はどの洗口剤も効果を示したのですがネオステリングリーンがすべての菌種に対して一番効果があり、すべての菌種の菌残存率が高く抑制効果がみられなかった洗口剤は抗菌作用をもつ成分のないアズノールうがい薬だったようです。

ネオステリングリーンの主成分はベンゼトニウム塩化物で広い抗菌スペクトルと強力な殺菌作用が特徴です。低刺激なので粘膜や創部の細菌感染予防目的の使用が多くベンゼトニウム塩化物は歯肉炎関連細菌に対して殺菌作用を有することが報告されています。細菌増殖抑制にもベンゼトニウム塩化物の殺菌作用が関与しているものと考えられます。

ポピドンヨード(イソジン)は常用すると、甲状腺が被害を受けます

 

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